校長あいさつ

message from school
自ら考えて自ら行動できる
「主体性のある人間になれ!」

大成高等学校 校長
遠藤 眞文
  人工知能 (AI = Artificial Intelligence) の技術が発達することで雇用にどのような影響が及ぶだろうか、ということが数年前から言われ始め、人工知能の発達で将来どんな職業がなくなるだろうかといったことにも関心が寄せられるようになりました。
  18世紀の半ばに起こった産業革命によって、人間がやっていた肉体労働が機械に取って代わられて、多くの肉体労働の仕事がなくなりました。それに代わって、人々は機械を使っての創造的な仕事やホワイトカラーという言葉に象徴されるような事務職の仕事をするようになりました。今度はそうした仕事が、インターネットや人工知能に象徴される21世紀の情報産業革命とも言える状況によって、なくなろうとしています。
  こうした状況に、私たちはどのように対応すればいいのでしょうか。
  私は、平成28年3月の卒業式の式辞で、卒業生に次のような話をしました。

  情報化が進み、企業が技術革新を進めるにつれて、新しい職業が生まれ、必要とされなくなった職業が消えていきます。こうした状況の背景には、コンピュータ技術の発達と人工知能の開発があります。人工知能が人間に代わって仕事をするという状況が生まれつつあります。自動車メーカーが車に人工知能を積んで、人間に代わって自動操縦できる車を作ろうとしているのは、その最たる例です。しかも、2020年までには実用化される見込みなのです。
  人工知能は人間から命令されたことをやって記憶し、やっては記憶していき、次第に高度な仕事ができるようになります。したがって、皆さんが社会に出て就職しても、人から命令されたことだけをやっていては、人間より人工知能にやらせた方がいいということになって、人工知能に仕事を奪われてしまうことにもなりかねません。
  では、私達はどうすればいいのでしょうか。
  どんなに技術が進歩しても、人間にしかできない能力を身につけることが必要です。新しいことを考えたり、新しいものを創り出したりする独創的な人間になる。人を思いやり、人と心を通じ合ったやりとりができる人間になる。どんな問題に直面しても逃げずに問題を解決することができる人間になることです。こうした人間になるためには、自分から学ぼうという姿勢をもち、実際に学び続け、学んだことを行動に移すことが大切です。一言でいうならば自ら考えて自ら行動できる「主体性のある人間になれ!」ということです。

  この話をしてから数日たって、人工知能が世界でもトップ級のプロ棋士に4勝1敗で勝利したことや、小説を書いていることが新聞で報じられました。日常生活では、人間関係や言語活動を含めて、複雑で総合的な能力が必要で人工知能では対応できないことが多くあるだろうと思いますが、特定の分野では、人工知能が人間の能力を上回っています。
  人間が人工知能によって支配されずに、人工知能を使いこなす、あるいは人工知能と共存していけるようにすることが、将来の教育の課題となるかもしれません。