昨年から再開された恒例の夏期合宿について、今年度の様子を写真とともにお届けします。

  

朝7時半。引退した3年生に見送られたバスが向かったのは長野県の菅平高原。

昼食を済ませて荷物を運んだら、まずは持参した的の設置から。高さを揃えるのにもコツが要るため、後輩に手本を見せながら2年生を中心に位置を整えていきます。

神棚に向かって礼をしたら、いよいよ練習開始です。

  

  

  

久しぶりに弓道専用の道場へ立つと、2年生でも少し緊張するようです。

最初は砂に刺さる低い音が続きますが、ややあって一際高い快音が響くと、先を越された悔しさから負けじと弓を引く真剣な横顔が並びます。

このとき、各自のタブレットで的中した位置と反省を記録し、動画や写真を撮って自分の射形を見直すことも欠かせません。

  

一方その間、2年生の半数は道場の裏で1年生の指導係をしていました。

ほとんどが未経験者から始める弓道部では、先輩後輩でペアを組む指導体制がとられています。

弓を構える前から射た後の姿勢まで、何度も繰り返して体に覚えさせていきます。

  

  

  

そして夕方。顧問が所作を確認して合格を出した1年生たちが初めて的前に立ちました。本校弓道部ならではの伝統行事、「射初め」です。

皆の前で大成高校弓道部員としての名乗りを終えたら、作法に従って射位に立ち、初めて的に向けて矢を射ます。

入部から3か月もの間、教室でゴム弓を引き続けてきた1年生たちの新たな一歩に、先輩からも大きな拍手が。

  

先輩が見ていない間も復習を欠かさない者、弓を片付けた後もイメトレをする者。1年生はそのひたむきさが射初めの早さに繋がっていきます。

そして、なかなか的前に立てない1年生もいる中、心が折れてしまわないように励まし続けるのは先輩の役目。

自分だけでなく、後輩や部全体のことも気に掛ける視野の広さが求められます。

  

  

  

部員たちは夜になっても自主練をしています。

1年生にはペアの先輩が付き添いますが、初の的中が出ると他の先輩もお祝いに駆けつけます。

そこにはペア制度に関係なく、部全体で後輩を育てようとする温かい空気感があります。

  

  

  

こうして2日目以降も弓道漬けの生活が続き、4日目の夜はお楽しみのBBQ。

5日目には朝から部屋や弓道場などの大掃除をし、お世話になった宿の方へ感謝を伝えて東京へ帰ります。

礼儀を何よりも大切にする競技だからこそ、バスの運転手さんや応援に駆けつけてくれたOB・OGさんなど、合宿に関わるすべての方々へ丁寧な挨拶を心掛けています。

  

  

  

  

  

近年人気が高まっている弓道部は、練習環境の限界を超えて入部希望者が集まる年も。
念願叶って部員になれた喜びをかみしめて練習に励む生徒たちの活躍に、今後もどうぞご期待ください。