本校は、DXハイスクール採択校(※)として、情報進学コースを中心に、ITの最先端技術を取り入れた授業を推進しています。その中でも、情報科の小野貴宏教諭と萩原浩平教諭の主導のもと、株式会社スクーミー、及びコクヨ株式会社との企業連携で行った今回の学びは、生徒の探究心を効果的に高められると期待するものです。


情報進学コースの3年生は、この1週間で、コクヨが開発した「大人のやる気ペン」を教材に、スクーミーの開発したセンサーを利用して「やる気」の数値化に挑みました。意欲を音や光で表すことができないだろうか、また、集中力が途切れる時間を測定することでやる気を数値化できないだろうか等、様々な観点から課題解決を図ろうと努力しました。











10月31日(金)、コース合同で課題解決に向けた取り組みの報告会を実施しました。DXハイスクールの実践授業を検証するものとして位置付けられたこの会には、他教科も含む多くの教員が注目していました。
印象的であったのは、全てのグループで、そもそも「『やる気』とは何か」という素朴な疑問に真正面から向き合ってきた姿があったことです。
報告会では、自分たちが気が付いた課題、そして解決させていく経緯が共有され、どの生徒にも自信が満ち溢れていました。
以下に生徒からのコメントをいくつかご紹介します。
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・プログラミングが難しく、インターネットで調べるなどの工夫も必要で、いい経験になった。(J組・Kくん)
・やる気ペンをより良くするための改善点がいろんな視点から出されていて、どの班のアイデアも面白かった。プログラミングが難しかった。(J組・Kさん)
・企業相手での発表会はなかなか無い経験だったので、緊張感もあったが、アルゴリズムの授業や去年の情報実習の知識を使ってデータをまとめることができた。一昨年や去年に習っていた情報Ⅰの問題解決の考え方が役に立った。最終下校時刻まで学校に残って話し合ったり、実験したりして楽しかった。(J組・Nくん)
・やる気ペンは振動数からやる気を測れるが、他の方法についても様々な視点で考えることが楽しかった。特に、「温度」からの視点が面白かった。プログラミングを使って実際にやってみることで企業側の考え方が見えたり、アイデアが形になることが嬉しかった!やる気ペンから改良を重ねて、検証して、商品化するまで、一から考えることの大変さや形になる喜びを学べて、良い経験になった。企業さんは利益なども考えて作っている点が私たちとは異なるが、逆に生徒ならではのものを作れてよかった。「失敗しても良い!」という言葉がすごく励みになって、高校生だからこそ、どんなことにもチャレンジしていきたいと思いました!(J組・Wさん)
・僕のグループは勉強している間に音楽が鳴り続けている仕組みを作ろうとした。提案だけで終わってしまって、設定した音楽が鳴り続けるようにするのはすごく難しかった。うまくいかないことが多くエラーがおきることが多かったが、最終的に「やる気を向上させるためには」を考えるきっかけになった。それが今後の勉強に活きていくと実感した。 (K組・Oくん)
・僕たちの班は、「ペンだけではやる気を測れない」という結論を出した。消しゴムと一緒にやる気を測ることにし、実際に測れるということも授業を通じて確認できた。消しゴムがあったことで、やる気の働きから新たな視点が生まれるということが分かった。既存のものにも新しい見方があるんじゃないかと思い、それを模索することが非常に大事だと感じた。(K組・Sくん)
・一から自分たちでやる気を出す方法を考えて、ペンを握っていないときに温度で知らせてもらうように設定した。頭ではわかっていても、プログラミングで表現するのが大変だった。しかし、授業を通じて、わからないことを周りの人や先生に聞いたことで、自分たちのやりたいことが出来た。(K組・Wさん)
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以前本校で働いていた先生との嬉しい再会もあり、生徒たちはどの発表にも真剣に耳を傾けていました。
データを科学する「データサイエンス」とは、複雑化する情報の中から、規則や意味を見つけ出すことです。本校の学びで身に付けた専門性を生かし、日常生活に潜む課題を解決する力を育むことができると期待しています。
※「DXハイスクール」とは
大学教育においてデジタル・理数分野の学びの重要度が増す中で、情報・数学等の教育を重視し、ICTを活用した文理横断的かつ探究的な学びを強化する高等学校などに対して、文部科学省がその環境整備にかかる経費を支援してくれるものです。
本校は、令和7年度の新規採択校として認定を受け、学校の内外にある様々な事象を学びのきっかけとして探究に挑み、あらゆる課題の解決をリードしていける人材を育成するための教育改革に取り組んでいます。

